本生活365日

本業の合間に本を読む☆本を記憶する☆本を記録する

誇り高いとは

本日の本

亡びぬものを
永井隆
アルバ文庫

島根県が誇る
永井隆博士
の自伝的私小説


その永井さんの書は
人柄(偉ぶらない庶民感覚ある方なのです)がよくわかる

永井さんのお父さんも偉かったんだなあと
推測できるところあり

墓守りなんてせんでもいい
地球が墓だから
親孝行墓守りじゃない
親孝行は親の意志を継いでそれを大きくすることだと

なんて素晴らしい
誇り高く生きていらっしゃる

そんな一本気なお父さんにいきなり電報で呼ばれ
長崎から鈍行汽車乗り継いで
最後は木次線(当時は木次線とはいわないけど)でかけつけて

全くの誤解で叱られるという
軽快なエピソードから始まるあたり

永井隆さんはセンスもある方とお見受けします

しかし後半は野戦病院の様子に
希望の見えない描写が続きます

戦争に対する強い批判と
疑問をはっきりぶつけて書いています
しかし
滲み出る品性により
美しい文となっています