本生活365日

本業の合間に本を読む☆本を記憶する☆本を記録する

たたら製鉄の奥深さ

鐵の道を往く

山陰中央新報

 

鐵は鉄のことです。鉄の道…たたら製鉄についてかかれた本です。山陰中央新報は新聞社なので記事をまとめたものと思われます。事実を取材で裏をとっているものばかりで信頼できるので、新聞社の出版物は時折手に取ります(*゚∀゚)

読むと、出雲産の鉄は全国一と言われるほど良質だったため、たたらの村はその技術を門外不出となるよう自治的に暮らしていたことがよく分かります。政治的な絡みから一歩抜けたところに身をおきつつしかし守りもかためていたのだから興味深いです。

一土、二風、三村下という言葉もこのあたりでは有名ですがたたらの村でしか出ない言葉。言葉は文化、生ものですね。

二風というのはたたらの炉におくる風のこと。出雲地方では天秤鞴(ふいご)という足踏み式の送風方法がとられていました。天秤鞴を導入してからは生産性がアップしたとのこと。番子さんと呼ばれた鞴踏みの2人は順番に踏んでいきます。またきつい作業であるため、交代しながら踏みます。かわり番子の語源ではないかとの説もあります。